銭湯などの温泉施設に行くと、「電気風呂」と呼ばれる浴槽が設置されているところもありますよね。
今回は、電気風呂に入ることによって得られる効果やその入浴方法について解説していきます。
電気風呂とは?その仕組みと効果は?
電気風呂とは、その名の通り電流が流れているお風呂のことです。
この電流のマッサージにより、血行促進、疲労回復等、様々な効果をもたらしてくれます。
電気風呂の歴史

電気風呂は、サナトリウム治療という自然治癒力や免疫力を向上させ、病を治す治療法の一環としてアメリカのジョン・ハーヴェイ・ケロッグ博士によって開発されました。
余談ですが、実はケロッグ博士は「コーンフレーク」で有名なケロッグ社の創設者なんです!
そのケロッグ博士が開発した数々の健康器具のひとつが電気風呂だそうです。
電気風呂が日本に伝わった時期には諸説ありますが、昭和8年に京都府の船岡温泉に初めて設置されたという話が有力です。
電気風呂の仕組みと効果
続いて、電気風呂の仕組みをご説明します。
電気風呂には、電極が取り付けられています。
その電極から微量な電流を流し、体内のイオンを調整して筋肉を収縮させます。
筋肉が収縮することによって血流がよくなり、その結果肩こりや腰痛の改善、リウマチ、関節痛や神経痛を和らげてくれます。
それに加えて冷え性まで改善してくれるのだからすごいですよね!
ちなみに、電気風呂の種類は4種類あり、ベーシックタイプ、マッサージタイプ、タタキタイプ、前述の全てを兼ね備えたマルチタイプがあり、主流なのはマルチタイプだそうです。
みなさんがよく利用するお風呂はどのタイプでしょうか。
電気風呂が危険な人は?
微弱とはいえ体に電流を流すわけですから、入浴の際は安全性についても考慮する必要があります。
ここでは電気風呂に関しての注意点等をお伝えします。
まず、電気風呂に入ってはいけない人にはペースメーカー等の医療器具を使っている方が該当します。
他にも心臓病の方、妊婦さん、高齢者の方や乳児は電気風呂の入浴は控えた方がいいといわれています。
また、電気風呂には血行促進の効果がありますので高血圧、動脈硬化の方も入浴を控えましょう。
生体電流に変化をもたらす電気風呂は、体質によって強い刺激を受ける場合がありますので、疾患がなく、体調が良い方でもまずは入浴の前にお風呂の注意書きに目を通してくださいね。
電気風呂の正しい入浴方法
ここでは電気風呂への正しい入浴方法をお伝えします。
電気風呂に入る前に、まずは普通の湯舟に入り、体をお湯に慣れさせましょう。
アクセサリー類をつけている方は、金属部から強い電流を受けるため、大変危険です。
あらかじめ取り外してから入ってください。
電気風呂に入る際は、いきなり全身で入らずに足先からゆっくり入りましょう。
電極部分が一番刺激が強くなっていますので、離れた場所から徐々に移動するのもおススメです。
入浴時間の目安ですが、電気風呂の長湯は厳禁で、3分ほど浸かったら電気風呂を出て休憩を挟み、2~3回にわけて入浴するのが効果的だといわれています。
ちなみに、電気風呂の電流は、筋力アップ効果のあるEMSとは別の周波数となっていますので、筋トレ効果は薄いといえます。
まとめ
電気風呂と聞くと「痛いのかな?」と少し怖いイメージもありますよね。
しかし、正しい入浴方法を守ることでたくさんの効能を得ることができます。
ピリピリとした刺激は徐々に慣れてくるかと思いますので、肩こりや慢性的な疲労にお悩みの方は、血行促進、疲労回復の効果がある電気風呂を一度試してみてくださいね。
その日の体調により、電気風呂を避けるべき方もいますので、注意事項をしっかり確認したうえで入浴しましょう。